研究実績の概要 |
本研究課題では、巨大遺伝子を葉緑体に導入する技術の開発を目的とする。 本年度は、2018年度に作成した準巨大プラスミド(85 kbp)であるpLSBAC101’CpSpGFPを葉緑体に導入した形質転換タバコの作成を行った。 pLSBAC101’CpSpGFPを葉緑体型融合ペプチドを用いてタバコ子葉に遺伝子導入を行った。処理した子葉の数は約1,000枚となる。これら子葉を、スペクチノマイシンを含む培地上で選抜し、3個体の形質転換タバコが再生した。これら個体は発根し、3個体のT0個体がポット上で生育している。明確なスペクチノマイシン耐性を示していることから、葉緑体ゲノムが組換えが生じている可能性が高い。しかし、導入したDNA全長がタバコ葉緑体ゲノムに挿入されているかは、次世代個体を用いた詳細な解析が必要である。 今回行った準巨大DNAを用いた葉緑体形質転換のT0個体再分化効率は、10 kbp以下の通常DNAと比較して、それほど違いはない。そのため、融合ペプチドを用いた葉緑体形質転換はDNAの大きさはそれほど問題にならない可能性がある。
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