針葉樹あて材細胞の横断面はまるい形をしており、細胞間の一部には隙間が存在している。細胞間の接着が十分でないことが、このような形状を作っているのではなかろうか。細胞間を接着するペクチン・ホモガラクツロナンと、それに接着機能を付与するペクチンメチルエステラーゼに着目して研究した。苗木を傾斜生育し、その傾斜度合いを変化させることで、まるみが弱いあて材細胞から、まるみが強いあて材細胞までを調整し、まるみの程度とペクチンメチルエステラーゼの量を調べた。まるい細胞ほど、細胞間のペクチンメチルエステラーゼ量が少なくなっており、推測と矛盾しない結果が得られた。
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