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2019 年度 実施状況報告書

地球温暖化広域モニタリングに向けたイチョウの年輪形成の気候応答性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K19299
研究機関秋田県立大学

研究代表者

高田 克彦  秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (50264099)

研究分担者 安江 恒  信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (00324236)
雉子谷 佳男  宮崎大学, 農学部, 教授 (10295199)
船田 良  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20192734)
高部 圭司  京都大学, 農学研究科, 教授 (70183449)
佐野 雄三  北海道大学, 農学研究院, 教授 (90226043)
工藤 佳世  秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 助教 (10757983)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2021-03-31
キーワードイチョウ / 形成層 / 葉フェノロジー
研究実績の概要

2019年度は9月2日に京都大学農学部において全ての参画研究者が参加して研究打ち合わせミーティングを開催した。研究打ち合わせミーティングでは、事前に配布した資料に基づいて昨年度の研究成果について意見交換を行い、今年度の研究方針を討議した。また、2019年7月5日、同10月21日及び2020年1月27日の3回、京都大学農学部において研究の推進状況に関して討議を行うとともに、今後の研究の継続・発展に関して意見交換を行った。
実験では、イチョウ成木を対象に、2019年3月24日から2020年1月27日までの間に20回、形成層を含む木片のサンプリングおよび葉の形態の経時的変化を観察・記録した。
サンプリングした形成層を含む木片は固定液中に保存後、薄切片試料を作成して形成層の活動を観察した。その結果、イチョウの形成層活動と水分通道様式は針葉樹や広葉樹のそれとは異なることを確認した。すなわち、4月上旬の芽の伸長開始後、開芽前に最初の形成層細胞の分裂が認められたが、当年に分裂した1列目の木部細胞の内容物の消失が認められたのは6月中旬-下旬であった。したがって、当年最初の木部細胞の形成が完了するまでには、形成層活動再開から2カ月以上の時間がかかったと判断された。その後、形成層活動は活発化し、7月-8月にかけて急激に木部生産量が増加した。一方、開葉は5月上旬に認められ、その後、葉の展開・成熟、長枝の伸長が継続して認められた。4月-6月上旬までの芽の伸長開始から開葉・葉の展開の期間には、通水可能な当年木部細胞は形成されていなかったことから、イチョウの当年葉の発達および当年長枝の伸長に必要な水は当年の木部ではなく 前年以前の木部を通って供給されていると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2019年度に予定していた研究は順調に実施することができた。しかしながら、成果発表を予定していた学会大会が新型コロナ拡大のために中止となるなど、成果の公表に関しては不十分と考えられる。

今後の研究の推進方策

2020年度科研費/挑戦的研究(開拓)へ申請する等、今後の研究の継続・発展を企画している。

次年度使用額が生じた理由

補助事業をより精微に達成するために2020年度に学術論文の投稿を予定しており、英文校閲および英文ジャーナルへの投稿費として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] イチョウにおける形成層活動および木部形成と葉のフェノロジー2020

    • 著者名/発表者名
      高田克彦、工藤佳世、MD HASNAT Rahman、佐野雄三、安江恒、雉子谷佳男、船田良、高部圭司
    • 学会等名
      第70回日本木材学会

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公開日: 2021-01-27  

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