研究課題
挑戦的研究(萌芽)
イチョウの形成層活動及び木材組織構造において以下の新知見を得た。(1)有縁壁孔を持たず通水に寄与しないイチョウ特有の細胞が存在する。(2)イチョウの通水様式は一般的な針葉樹や広葉樹のそれとは異なる、(3)形成層活動再開後から当年最初の仮道管分化完了、細胞分裂頻度が上がるまでに1ヶ月以上要する。これらの特徴は異なる生育地域(秋田県、宮崎県、北海道、東京都)においても共通して認められるものであり、イチョウ独自の樹種特性と考えられる。
森林資源学
本研究の実施により、イチョウの形成層活動の特異性が明らかになった。この結果は、本研究の目的であるイチョウを利用した地球温暖化広域モニタリングの可能性を示唆するものと考えられる。また、これらの知見をもとに木本植物を対象とした進化と環境適応性に関する新たな研究が立ち上がるなど、今後の研究の進展が期待される。