光環境の例として近赤外光の照射が袋内に封入されたカットレタスの外観品質や生理活性に及ぼす影響を調査した.その結果,近赤外光照射が保蔵中の一般生菌数抑制や質量減少抑制に影響を及ぼすことが示された.しかし長時間の照射条件はレタスの褐変割合を増加させ外観品質の悪化を招く可能性があることも判明した.これは照射処理によりPAL活性が増加した結果であると考えられた.一方で短時間の処理条件では褐変割合の増加が確認されず,PAL活性,総ポリフェノール量ともにControlとの差は見出せなかった.以上の結果から,適切な条件での近赤外光照射処理のみがカット野菜の保蔵性向上に寄与することが明らかになった.
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