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2018 年度 実施状況報告書

盲導犬の適性気質に関わるゲノムマーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 17K19317
研究機関東京大学

研究代表者

武内 ゆかり  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (10240730)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2020-03-31
キーワード行動学 / 気質 / 注意散漫 / SNP / GWAS / 犬 / 使役犬
研究実績の概要

前年度に“注意散漫”について有意差が認められなかったため,本年度はまず個体間の遺伝的距離が近いことを逆に利用して,同腹個体で“注意散漫”の高低が存在するペアをGWAS候補個体として抽出して解析することとした。新たな基準を設けて個体を抽出し,遺伝子型タイピングは理研ジェネシスに委託した。しかしながら,これまでに遺伝子型タイピングを得ていたものに加え,計30ペアの解析を行ったものの,“注意散漫”と有意に関連するSNPは存在しなかった。
本研究では最終的に総計215頭分の遺伝子型データを入手できたため,それらを用いて品質管理(Quality Control:SNPマーカーのうち,タイピング率が99%以下のSNPやMinor Allele Frequencyが0.01以下のSNPなどは解析から除外し,最終的には120,108SNPを使用)後に再解析を行った。具体的には,近親個体による層化の影響を減らすため,各腹から1頭ずつ抽出した156頭を用いて解析したところ,有意水準を超えるSNPがみつかった。しかしながら,QQプロット描いて確認したところ,層化による偽陽性の可能性が考えられたため,採材場所(出生地)ごとに,層別解析を行うこととした。その結果,層化の問題は解決され,有意水準は超えないものの,関連の可能性が疑われるSNP(第4染色体のBICF2P907810など)が複数みつかった。また,本解析中に有意ではないものの,“注意散漫”が高い個体のみに出現するSNP(第17染色体のBICF2G630206039および第32染色体のBICF2P1054843)の存在が確認された。
今後はこれまでにリストアップされたSNPについて新たな群を作って再現性について確認していくこととした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

GWAS委託解析費用が高額であるため,他研究と合わせてサンプル数を揃えて解析することとした。結果として,委託解析開始が遅れ,最終的な結果を得たのが今年度になってしまった。現在,追試験を含め,解析を進めているところである。

今後の研究の推進方策

最終年度(期間延長済)であるため特に研究計画の変更はしない。速やかに研究を進め,公表準備を整えるつもりである。

次年度使用額が生じた理由

GWAS委託解析費用が高額であるため,他研究と合併してサンプルを準備することとした。そのため,実際にデータを得るのが今年度に入ってしまった。その後解析をスタートしたものの,年度内に追試を含む実験を行うことが不可能であった。
今後はこれまでの計画通り,追試験を行って結果の再現性などについて検討する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 獣医動物行動学研究室研究概要

    • URL

      http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/koudou/j-research.html

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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