受精後に始まる遺伝子発現プログラムの調節に関わる因子として、(1)発生イベント、(2)Zygotic Clock、(3)段階的変化、の3つを想定し、これらの実際の関与を調べた。まず、1細胞期の転写を可逆的阻害剤により一過的に抑制し、2細胞になった時期に阻害剤を除いて転写パターンを調べたところ、1細胞期のパターンが見られた。したがって、この時期の遺伝子発現プログラムは、(3)段階的変化によって調節されていることが明らかとなった。また、2細胞前期から後期に起こる大規模な遺伝子発現パターンの変化がおこるが、DNA複製を阻害する実験によって、DNA複製が関わっていることが示唆された。
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