タンパク質や核酸といった生体分子の多くは、それらに内外から働く張力や圧縮力といった力学的な負荷によって、機能発現や反応速度が変調されていることが知られてきている。高速AFMで観察中の生体分子に力学的負荷を加えられれば、その変調のメカニズムを詳細に理解できることが期待される。そこで、従来のイメージング用スキャナーと独立で動作するマニピュレーション(外部操作)用スキャナーを追加し、そのスキャナーに取り付けられたキャピラリープローブを用いて観察対象に外力を与えられる新規のスキャナーシステムを開発した。その結果、生体分子を高速AFM観察しながら、その形状の外力応答を調べることができるようになった。
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