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2017 年度 実施状況報告書

分子量の小さいGPCRのクライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析の挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 17K19349
研究機関京都大学

研究代表者

島村 達郎  京都大学, 医学研究科, 特定講師 (90391979)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワードG蛋白質共役型受容体 / 構造解析
研究実績の概要

Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は、細胞外のシグナルを細胞内へ伝える役割を担い、生命維持に必須な機能のほぼ全てに関与している。そのためGPCRは、様々な病気の治療薬の標的となっている。最近の創薬シーズ探索では、標的タンパク質の立体構造に基づく計算機を利用した薬物設計が利用されるようになり、GPCRの構造情報の取得は喫緊の課題となっている。GPCRは分子量が50kDa程度と小さいため、これまではX線結晶構造解析により構造決定されてきたが、大量発現が難しい点や、構造上の柔軟性のため不安定な点などが原因で、X線結晶構造解析に必要な結晶化が難しい。一方で、この数年の劇的な技術進歩により、電子顕微鏡で構造解析できるタンパク質の分子量が100kDa程度まで低分子量化し、また、分解能も向上した。そこで本研究計画では、GPCRに抗体を結合させることで分子量を大きくし、電子顕微鏡により構造解析を行うことを目的としている。平成29年度は、(1)モデルタンパク質として、構造既知のGPCRと抗体の複合体を用いて、電子顕微鏡を用いた単粒子解析のための試料調製についての検討と、(2)構造未知のドパミン受容体の抗体取得を計画した。(1)については、ペプチド受容体とその抗体を用いて、界面活性剤の種類などについて電子顕微鏡試料の調製について、電子顕微鏡を使用しながら検討した。(2)については、ドパミン受容体に対する構造認識抗体を3種類取得できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していたものとは異なるGPCRではあったが、モデルGPCRと抗体との複合体について、電子顕微鏡を用いた試料調製の検討を開始できた。また、ドパミン受容体の抗体も作製できた。そのため、おおむね順調と判断できる。

今後の研究の推進方策

モデルタンパク質で得られた知見を利用し、ドパミン受容体と抗体の複合体について、電子顕微鏡での構造解析に向けた検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

抗体作製を担当する予定だった連携研究者が異動し、抗体作製が困難になった。そのため、受容体の生産を担当する予定だった別の連携研究者が代行したが、研究組織外の研究者の指導により抗体を作製したため、本研究費から支出する必要がなくなった。また、代行により受容体の生産が出来なかったため、その分の支出も無かった。また、当初予定とは異なる施設の電子顕微鏡を使用したため、使用量は発生しなかった。次年度には更に二人の連携研究者が異動になり本計画研究に殆ど参加できなくなるので、研究補助員を雇い、研究を遂行する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Structural insights into antipsychotics binding modes in dopamine D2-class receptors2018

    • 著者名/発表者名
      Dohyun Im, Tatsuro Shimamura, et al.
    • 学会等名
      Keystone Symposia: GPCR Structure and Function
    • 国際学会
  • [学会発表] A first novel GPCR structure determined at SACLA2017

    • 著者名/発表者名
      Dohyun Im, Tatsuro Shimamura, So Iwata
    • 学会等名
      International Symposium on Frontiers in structural biology for Drug Development
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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