研究課題/領域番号 |
17K19353
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
安原 主馬 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (90545716)
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研究分担者 |
安藤 剛 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (60324654)
塚崎 智也 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80436716)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | 膜タンパク質 / 脂質二分子膜 / 両親媒性ポリマー / ナノディスク / 自己組織化 |
研究実績の概要 |
膜タンパク質は、多くの細胞機能において重要な役割を担っているが、取り扱いの困難さからその構造や機能についての理解は他の水溶性タンパク質と比較して大きく遅れている。従って、膜タンパク質が天然の生体膜に存在する状態のままで簡便かつ安定に水溶液中で取り扱える新しい手法が求められている。本研究では、天然の細胞膜環境を再現した膜タンパク質解析の新たなプラットフォームとして、生体膜ナノディスクを自己組織化によって自発的に形成するポリマーを開発する事を目的として実施した。具体的には、(i)生体膜の断片化および(ii)形成したナノディスク構造の安定化という2つの機能を単一の分子で実現する膜活性ポリマーの開発を行った。前年度までに種々のポリマーライブラリの合成を行い、得られたライブラリをスクリーニングすることによって良好なナノディスク形成能を示すポリマーの設計指針を見いだした。本年度は、得られたナノディスク形成ポリマーを用いて、膜タンパク質を発現した脂質膜の直接断片化による、脂質膜-膜タンパク質複合体のナノディスク化を行った。加えて、膜に相互作用することで生理活性を示すアミロイドペプチドとナノディスクの複合化も行った。得られたナノディスクを対象に、組み込まれた膜タンパク質やペプチドの構造及び機能に関して各種分光法により評価した。これらより、ナノディスクを用いることで膜タンパク質やペプチドと脂質膜との相互作用を単一ナノディスクレベルで制御および解析できることを明らかにした。
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