実験室高温適応進化により最小培地で48℃以上で安定増殖(世界最高温度での安定増殖)する、至適増殖温度45℃の高温菌の特性を持つ2系統の大腸菌の構築に成功した。 この進化過程の大腸菌をゲノム解析した結果、変異率は進化と共に上昇し進化後半で頭打ちになり、GC含量は進化に伴い漸減していた。プロテオスタシスネットワーク因子遺伝子領域は、その他の領域に比べて塩基置換の変異率が3倍程度高かった。高温適応進化で必須遺伝子の一部は、高温菌と同じアミノ酸に変化する変異が固定され、groL変異は大腸菌進化系統での先祖返り変異であった。高温適応進化ではプロテオスタシスネットワークの変化の重要性が示唆された。
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