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2020 年度 実績報告書

新奇行動獲得の神経基盤

研究課題

研究課題/領域番号 17K19421
研究機関東京大学

研究代表者

松尾 隆嗣  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (70301223)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2021-03-31
キーワードDrorophila prolongata / 自動行動解析
研究実績の概要

神経活動と動作の間の関連付けを精密に行うためには、行動解析の自動化によりリアルタイムで特定の行動を検出する必要がある。この目的には、従来は物体検出と行動アノーテーションの二つのステップからなるシステムが用いられてきたが、様々な問題を抱えており、自分の使いたい対象に適用するのは容易ではなかった。一方、近年の深層学習を用いた画像解析手法の進歩により、これまでより柔軟な行動解析の自動化への道が開かれた。特に物体検出においてはノイズに対して格段に頑健でありながら様々な異なる目的にも容易に適用できるシステムが次々に開発されている。しかしながら行動アノーテーションについては依然としてこれまでの機械学習を用いた手法しか存在していない。そこで我々はMATLABにより提供されているYOLOアルゴリズムを用いて、従来物体検出に用いられていた手法を行動アノーテーションに転用し、単一ステップで行動解析を完了させることを試みた。すなわち、特定の行動時に特徴的に表れる姿勢をネットワークに学習させることで、ある行動の生起のタイミングとその位置を極めて高速に検出することが可能になると期待される。既存の画像判別ネットワークをテナガショウジョウバエの闘争・求愛行動に対して転移学習したシステムを作成したところ、極めて高い確率で正しく行動を検出できることが確かめられた。この手法は柔軟に多様な対象に適用可能であることから、広く活用できるものと考える。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] A courtship behavior that makes monandrous females polyandrous2020

    • 著者名/発表者名
      Kazuyoshi Minekawa, Kai Amino, Takashi Matsuo
    • 雑誌名

      Evolution

      巻: 74 ページ: 2483-2493

    • DOI

      10.1111/evo.14098

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Food availability reverses the effect of hunger state on copulation rate in Drosophila prolongata females2020

    • 著者名/発表者名
      Yuki Ando, Toshiki Yoshimizu, Takashi Matsuo
    • 雑誌名

      Animal Behaviour

      巻: 166 ページ: 51-59

    • DOI

      10.1016/j.anbehav.2020.06.003

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Intra- versus inter-sexual selection on Sexually dimorphic traits in Drosophila prolongata2020

    • 著者名/発表者名
      Kai Amino, Takashi Matsuo
    • 雑誌名

      Zoological Science

      巻: 37 ページ: 210-216

    • DOI

      10.2108/zs200010

    • 査読あり
  • [学会発表] テナガショウジョウバエにおける闘争行動と求愛行動の相互作用2021

    • 著者名/発表者名
      豊嶋直樹、網野海、松尾隆嗣
    • 学会等名
      第65回日本応用動物昆虫学会大会
  • [学会発表] テナガショウジョウバエにおいて闘争経験が次の闘争にもたらす効果の検証2021

    • 著者名/発表者名
      網野海、松尾隆嗣
    • 学会等名
      第65回日本応用動物昆虫学会大会
  • [学会発表] 新奇求愛行動獲得による配偶システムの進化2020

    • 著者名/発表者名
      嶺川一喜、網野海、松尾隆嗣
    • 学会等名
      第22回日本進化学会大会
  • [学会発表] テナガショウジョウバエを用いたタカ・ハトゲームの再現2020

    • 著者名/発表者名
      吉水敏城、松尾隆嗣
    • 学会等名
      第39回日本動物行動学会大会
  • [学会発表] 評価戦略は個性か?~テナガショウジョウバエにおける種内多様性の解明にむけて~2020

    • 著者名/発表者名
      網野海、松尾隆嗣
    • 学会等名
      第22回日本進化学会大会

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公開日: 2022-12-28  

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