一般に転写活性化因子の結合サイトの新規獲得は単純な塩基置換の蓄積で説明されることが多い。転移因子がゲノム中で数万コピーもの結合サイトを増幅する可能性は以前から指摘されていたが、生物進化におけるその寄与の程度は分かっていなかった。今回その割合とともに哺乳類共通の形態進化に関わるシス調節配列の増大に寄与したことを初めて明らかにした。これにより発現調節ネットワークの改変とそれに伴う形態進化には従来考えられてきたような塩基置換だけでなく転移因子の増幅が深く関係することが明らかになり、今後転移因子の存在意義と生物進化における影響を再考する上で極めて重要な知見となった。
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