生物種特異的に最終的な体の大きさがどのように決定されるかを理解するには、遺伝子と環境の相互作用が成長や代謝にどう影響するかを明らかにする必要がある。多くの動植物の発育段階は、成長期と成熟期の二相に分かれており、成熟期への進行が不可逆的に最終サイズを決める一因となる。モデル生物のキイロショウジョウバエを用いた本研究により、成熟期への進行を定める閾値が、性成熟を支えるエネルギー配分の切り替え点になっていること、また閾値到達後にホルモンの作用により代謝プログラムの変化が起きることを明らかにした。生活史戦略としての代謝調節機構が明らかになり、生命の設計原理の一端が解明された。
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