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2017 年度 実施状況報告書

内視鏡を用いた脳深部の新規3次元イメージング法

研究課題

研究課題/領域番号 17K19436
研究機関関西医科大学

研究代表者

林 勇一郎  関西医科大学, 医学部, 研究員 (90378737)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワード内視鏡 / カルシウムイメージング
研究実績の概要

本研究は、行動中のマウス脳からの蛍光イメージングにおいて3次元的に画像を取得する方法の開発が目的である。脳組織は透明度が低いため、脳深部のイメージングでは脳に内視鏡を挿入してイメージングが行われる。しかし組織への侵襲性の観点から内視鏡の直径には制限があり、おおむね0.5mm程度に制限される。この内視鏡の小さな視野から最大限の神経細胞を観察するためには3次元イメージングが有効である。まず、当初の構想通りライトフィールドカメラの原理を用いた内視鏡システムを設計した。シミュレーションにより光学系の検討を行ったところ、市販の光学部品を使う限り装置の大きさを許容範囲(マウス頭部に乗せられる重さ、3g程度)に収めることが困難であった。そこで、より小型軽量化が可能な方法として可変焦点レンズを用いて三次元画像を得る方法を検討した。この場合3次元画像は同時ではなく逐次的に取得することになるが、可変焦点レンズの動作は十分高速なので問題ない。また、光学系が簡素化されるので小型化に有利である。3Dプリンタを用いてハウジングを製作し、光学部品を搭載して画像取得を行ったところ、752x480x12ピクセルの3次元画像を毎秒5回取得することができた。これは神経細胞のカルシウムイメージングを行うに十分な速度である。また、試作内視鏡は十分小型でありマウスの自由行動を妨げないと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マウス頭部に搭載できる大きさの内視鏡システムを試作し、神経細胞のカルシウムイメージングに必要な速度で3次元画像の取得を行うことができた。原理的に目標が実現可能であることが判明したので、今後部分的な改良により目標が達成できると考えられる。

今後の研究の推進方策

今年度は内視鏡と可変焦点レンズの制御ソフトウェアを改良し、実際の動物実験で容易に操作できるようにする。さらに、取得した3次元データから個々の細胞のカルシウム活動を抽出する解析方法の検討を行う。現在フリーソフトウェアとして公開され、広く使われている独立成分分析あるいは非負値行列因子分解を用いた方法を試す。
また、3Dプリンタで製作した筐体は繰り返し使用するには強度が不足気味である。そこで樹脂を切削して筐体を製作する。最終的に、製作した内視鏡システムを用いて行動中のマウスからデータの取得を行う。ライトフィールドカメラについては、シミュレーションにより光学系を小型化できないかさらに検討する。

次年度使用額が生じた理由

スライサーの機種選定が遅れたため、次年度での購入に変更した。
これ以外の次年度予算は予定通り消耗品および旅費等に充当する。

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公開日: 2018-12-17  

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