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2018 年度 実績報告書

脳内免疫メカニズム解明のためのcAMPシグナリング光操作技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K19440
研究機関東京大学

研究代表者

小山 隆太  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (90431890)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワードアストロサイト / cAMP / 光操作 / 記憶
研究実績の概要

アストロサイトは細胞外環境の維持に重要であり、伝達物質を放出することで、神経活動や神経可塑性、そして記憶に影響する。本研究では、in vivoでアストロサイト特異的にcAMPを上昇できる遺伝子改変マウス(Mlc1-tTA::tetO-PAC(mlc1-PAC)マウス)を作製し、アストロサイトcAMPの上昇の記憶に対する影響を調べた。このマウスにおいて、PACがアストロサイト特異的に発現していること、そしてin vitroおよびin vivoで青色光刺激がアストロサイトのcAMP上昇を誘起できることを確認した。また、空間記憶課題において、海馬のアストロサイトcAMPを上昇させたところ、学習時のcAMP上昇が記憶を長く保持させることを発見した。また、学習以外の時にcAMPの上昇は記憶保持を障害することを見出した。このことから、アストロサイトcAMPの上昇タイミングによって記憶を双方向に制御されることが示唆された。さらに、この現象のメカニズムを調べるにあたって、アストロサイトのcAMP上昇が神経細胞のNMDA受容体を活性化し、神経活動マーカーであるcFosの発現を誘導することを突き止めた。なお、NMDA受容体の阻害はアストロサイトのcAMP上昇による記憶の変化をブロックした。つまり、アストロサイトのcAMP上昇は神経細胞の活性化することで記憶の変化を誘導することが示唆された。本研究は、in vivoでcAMPシグナルを操作する光遺伝学のツールを開発し、アストロサイトにおけるcAMP操作に成功した。そして、アストロサイトのcAMP上昇が記憶を双方向に制御できることを示し、in vivoでアストロサイトのcAMPシグナルの重要性を示した初めての研究である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] The Astrocytic cAMP Pathway in Health and Disease2019

    • 著者名/発表者名
      Zhou Zhiwen、Ikegaya Yuji、Koyama Ryuta
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 20 ページ: 779~779

    • DOI

      10.3390/ijms20030779

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] アストロサイトの光操作による記憶の制御2019

    • 著者名/発表者名
      周至文、小野寺純也、平木俊光、安藤めぐみ、田中謙二、小山隆太、池谷裕二
    • 学会等名
      第92回日本薬理学会年会
  • [学会発表] Modulating glial functio nin health and disease using PAC (Photoactivated Adenylyl Cyclase).2018

    • 著者名/発表者名
      Koyama R
    • 学会等名
      Young Glia
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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