本課題では、聴覚空間地図の実体を明らかにするための技術基盤整備を目指し、以下の結果を得た。まず、Ca感受性蛋白質、電位感受性蛋白質、膜移行型の蛍光蛋白質をTetOn制御下で神経細胞特異的に発現するベクターを作成した。次に、タングステン線をガラス電極に挿入することで、音応答記録下にベクターの局所注入が可能な系を確立した。さらに、成熟聴覚神経細胞に発現させた蛍光蛋白質の信号を、神経内視鏡により観察することに成功した。また、Tetbow法、さらに組織透明化と二光子顕微鏡観察を組み合わせることで、多細胞投射解析に必要な神経回路の三次元再構築の手法を確立した。
|