線虫C. elegansは302個のニューロンからなる神経ネットワークを持つが、その機能はいまだよくわかっていない。我々は、各ニューロンが行動に与える機能を網羅的にアノテーションするための新規方法論―機能的セロミクス―を開発した。この方法論を線虫の産卵行動に適用し、産卵行動に強く影響するニューロンの解析に成功した。さらに、線虫の行動を自動でトラッキングしモデル化する動画撮影システムを構築し、線虫のロコモーションモチーフに影響するニューラルネットワークの解析を進めている。機能的セロミクスをさまざまな行動系に適用することで、普遍的な脳の計算メカニズムを理解できるようになる期待される。
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