研究課題/領域番号 |
17K19454
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高田 昌彦 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (00236233)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | ウイルスベクター / アデノ随伴ウイルス / 遺伝子導入 / 血液脳関門 / マカクザル / マーモセット / 神経疾患 / 霊長類モデル |
研究成果の概要 |
本研究課題では、ヒトに近縁なサル類において、全脳的なニューロンへの外来遺伝子導入を実現するような新規ウイルスベクターを開発し、それを用いて神経疾患の遺伝子改変モデルを作出するため、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターの改良とベクター注入法の検討をおこなった。その結果、2型と9型のモザイクキャプシドを利用した改変AAVベクターがマカクザルやマーモセットの新生児への静脈内投与により全脳的な遺伝子導入が可能であることを見出すとともに、血液脳関門(BBB)が閉鎖する幼弱期以降において、経頭蓋集束超音波照射によるBBBの一過性開放技術を導入し、AAVベクターの脳内移行率を向上させる開発研究を進めている。
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自由記述の分野 |
神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全脳的な遺伝子導入をウイルスベクターの血管内投与により実現するという遺伝子導入法は、斬新で画期的な手法であるだけでなく、先端的技術として幅広い応用が可能である。例えば、RNAi技術やゲノム編集技術と組み合わせることによりターゲット遺伝子を比較的容易に操作できると考えられる。本研究の成果は、これまで困難であった遺伝子改変疾患モデル霊長類の作出という観点から、特に神経疾患の病態解明と新規治療法の開発に大きく寄与すると考える。また、本研究の成果そのものが全ニューロンレベルでの遺伝子治療に重要な知見を与えるものであり、特に広く遺伝子欠損疾患の治療法に関する開発研究にも将来的に貢献できると期待される。
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