研究課題/領域番号 |
17K19465
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
岡田 洋平 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (30383714)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | ゲノム編集 / 神経変性疾患 / ポリグルタミン病 / 根治的治療法 |
研究実績の概要 |
(1)SBMA疾患特異的iPS細胞におけるCAGリピートの短縮 CRISPR/Cas9を用いて、SBMA疾患特異的iPS細胞におけるCAGリピート編集(短縮:AR50Q→AR24Q)を行った。すなわち、ゲノム二本鎖切断酵素(ヌクレアーゼ)である化膿性連鎖球菌由来SpCas9、標的の配列を認識させるガイドRNA(sgRNA)、ゲノムにノックインするARの伸長CAGリピート配列(AR24Q)を含むDonor DNAを細胞に導入して薬剤選択を行い、CAGリピートの伸長したノックイン株を樹立した(AR50Q→AR24Q)。当初予定していたG418選択のみならず、ノックイン効率を上げるために、Puromycin選択による薬剤選択によるクローニングを行った。どちらの場合も、薬剤カセット除去後のクローンにおいて、PCRおよびシークエンス解析によるノックイン、および薬剤選択カセット除去を確認し、G418選択のものを2クローン、Puromycin選択のものを4クローン取得した。現在、ゲノム編集後のiPS細胞を運動ニューロンへ分化誘導し、RT-PCRおよびウェスタンブロッティングによる正常ARの発現確認を行っている。またSBMA患者由来運動ニューロンでこれまでに観察されている表現型のレスキューを解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、細胞株におけるゲノム編集には成功しているが、ヒトiPS細胞のゲノム編集については、ノックイン効率を上げるためにG418のみならずPuromycinによる薬剤選択も行った。現在、両方の薬剤選択により得られたクローンにおいて、薬剤選択カセット除去後の正常ARの発現確認と表現型のレスキューの解析を進めており、やや遅れてはいるものの、概ね順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
SBMA疾患特異的iPS細胞のゲノム編集では、薬剤選択カセット除去後のクローンを運動ニューロンへと分化誘導し、表現型のレスキューを進めている。今後、ゲノム編集後のiPS細胞から誘導した運動ニューロンにおいて、遺伝子発現解析を含めた詳細な解析を行う予定である。また、分化誘導後の運動ニューロンを用いて、非分裂細胞のゲノム編集を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
効率的な研究費の使用により、次年度使用額が生じた。翌年度分と合わせて、実験試薬や実験器具等の消耗品の購入、研究技術員の雇用等にあてる予定である。
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