近年のゲノム編集技術の著しい進展により、根治的治療法のない遺伝性神経変性疾患に対する治療開発が期待されている。本研究では、アンドロゲン受容体(AR)のポリグルタミン鎖(CAGリピート)の異常伸長により発症する球脊髄性筋萎縮症(SBMA)を標的に、ARのCAGリピート長を制御するゲノム編集技術の開発を行った。その結果、培養細胞株において野生型ARの正常CAGリピートを伸長して表現型を再現すること、またSBMA疾患特異的iPS細胞において変異ARの異常伸長したCAGリピートを正常長に短縮することに成功した。本技術は、様々な遺伝性神経変性疾患における根治的治療開発に応用可能であると考えられる。
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