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2018 年度 実績報告書

高分子内電荷密度に由来する細胞質移行性の獲得と治療核酸誘導体への展開

研究課題

研究課題/領域番号 17K19481
研究機関東京工業大学

研究代表者

武元 宏泰  東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (10709249)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワード薬物送達システム / 核酸 / 高分子 / バイオマテリアル
研究実績の概要

本研究課題では、高い細胞質移行性を有する高分子を開発し、核酸へと結合することで、核酸の細胞外から細胞質への効率的な到達及び薬効向上を目的とする。前年度までに、種々の電荷密度を有するポリアミノ酸型の高分子ベタインを開発した。そして、中性条件でのantifouling能と弱酸性条件でのカチオン性を有し、細胞質移行性に適した構造を導出した。本年度は、得られた構造体を核酸と結合し、培養細胞での実験を通して機能を確認した。まず、核酸との結合に関してはアジド基を有する高分子ベタインを合成することで、シクロオクチン基を末端に持つ核酸とのクリックコンジュゲーションを介して目的物が合成可能であることを見出した。合成の完了はアガロースゲル電気泳動およびHPLCにて確認した。得られた核酸と高分子ベタインとの結合体を培養がん細胞に対して遺伝子導入試薬を用いてアプライし、核酸由来の薬効を評価した。すると、高分子が結合した状態にも関わらず通常の核酸に匹敵する薬効を有することが明らかとなった。このことは、高分子由来の排除堆積効果が細胞内の薬理活性メカニズムを阻害することを考慮すると、高分子ベタインを結合することでより多くの核酸分子が細胞質へ移行したことを示唆している。実際に、高分子ベタインの分子量を2倍にすることで薬効の低減が確認された。つまり、開発された核酸コンジュゲート体において、高分子ベタインと核酸との間に細胞内切断性リンカーを導入して細胞内での核酸放出を促す設計が提案された。そうすることで、より効率的な核酸由来の薬効が期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Size-regulated siRNA carriers from small complex loading single siRNA molecule for systemic delivery to tumor tissue2018

    • 著者名/発表者名
      Hiroyasu Takemoto, Kanjiro Miyata, Nobuhiro Nishiyama, Kazunori Kataoka
    • 学会等名
      第77回日本癌学会学術総会
    • 招待講演
  • [図書] ドラッグキャリア設計入門2019

    • 著者名/発表者名
      片岡 一則、原島 秀吉
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      4621303651

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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