本研究は、食物に含まれる成分を利用し病気の予防に役立てることを目指している。この場合、たんに食物に含まれる化合物やその働きを解明するだけでなく、当該化合物の体内への暴露を、薬学的見地から定量的に明らかにする必要がある。本研究はサケ白子抽出物に含まれる核酸画分に、記憶・学習力を高める働きのあることを解明した。たんに働きを解明しただけでなく、経口摂取しても効果があること、摂取した核酸が脳の海馬に到達することを示唆した点で、体内への暴露を定量的に示している。今後、どの程度の量を摂取すれば記憶学習効果が得られるかをさらに解明することで、脳の健康を永く維持する食生活に役立て、健康長寿社会実現へ貢献する。
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