ユビキチンE3リガーゼの基質としてAβ分解酵素(プロテアーゼ)の一つを同定することに成功した.当該基質タンパク質はポリユビキチン化されるものの,プロテアソームによる分解を受けないことが明らかとなった.そこで,酵素活性を人工的Aβペプチドの水解活性から求めたところ,ユビキチンによって,有意に抑制されることがわかった.また,ユビキチン化部位を欠失させた変異体を発現した細胞では,細胞外に分泌される酵素量が有意に低下することもわかった.したがって,小胞体ストレス環境下では,ある種のE3リガーゼが高発現し,基質をユビキチン化することで細胞内局在を変化させて,酵素活性を調節している可能性が示唆された.
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