研究実績の概要 |
αCF3-アミノ酸の不斉合成: 1.ラセミαCF3-アミノ酸のBINOLエステルによる光学分割: Burgerらの方法に準じて、ラセミ体のαCF3-ジ置換アミノ酸を2-アルコキシカルボニルイミン-3,3,3-トリフルオロプロピオネートを原料として合成した。そして、(R)-BINOLエステルに変換すると、αCF3アラニン、αCF3バリンなどのジアステレオマーをカラムクロマトグラフィーやプレパラティブTLCにより分離することが可能であり、光学活性αCF3アミノ酸を数種類ほど合成できた。この方法により、αCF3-Aibを数百mgスケールで合成した。 2. 不斉反応を利用した方法:基質イミン体にキラル補助剤を導入したジアステレオ選択的1,2-付加反応あるいはキラルなリガンドを用いた不斉触媒による不斉1,2-付加反応により、光学活性なCF3-アミノ酸の合成ができないかを検討したが上手く反応が進行しなかった。また、不斉トリフルオロメチル化により光学活性なCF3-アミノ酸の合成ができないかを検討したが、現在までのところ反応が進行しなかった。 αCF3-Aib含有ペプチドの合成研究:キラルなαCF3-Aibをペプチドの中に導入する反応条件を精査した。また、Brigaudらの報告に準じ、反応中間体として酸無水物を経由する方法により、液相法によりαCF3-Aibをペプチド中に導入した。このペプチドは、結晶になったのでX線結晶解析を行い、ジアステレオマー間での2次構造の比較を行った。
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