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2019 年度 実施状況報告書

α-トリフルオロメチルアミノ酸含有ペプチドの2次構造からの創薬へのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 17K19495
研究機関長崎大学

研究代表者

田中 正一  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (00227175)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2021-03-31
キーワード有機化学 / 生体分子 / 薬学 / 分子認識 / ペプチド / タンパク質 / 2次構造
研究実績の概要

αCF3-アミノ酸の不斉合成:
1.ラセミαCF3-アミノ酸のBINOLエステルによる光学分割法により、αCF3ロイシン、αCF3フェニルアラニン等は合成できることが分かった。しかし、この方法では、煩雑な分離操作を必要としており、光学活性αCF3アミノ酸合成の収量等の改善は困難であり、ペプチド合成に必要なグラムスケールでの合成は困難であった。
2.不斉補助基を利用した合成:アミノ酸の不斉合成として、8-(-)-フェニルメントールを不斉補助基として利用した方法を検討することにした。トリフルオロピルビン酸とフェニルメントール等からエステルを合成しようと検討したが、目的のエステルが合成できずこの方法は断念した。
3.キラル相関移動触媒を用いた共役付加型のアルキル化が進行し、中程度の鏡像体過剰率のCF3-アミノ酸が合成できることがわかった。そこで、既存のキラル相関移動触媒である丸岡触媒のほかに、新規なキニジン由来のキラル相関移動触媒を設計合成した。そして、数種類のキニジン由来キラル相関移動触媒を用いて、反応条件、基質の構造等の条件を変更し鏡像体過剰率を上げることを試みたところ、反応溶媒の影響が大きいことが分かり、-20℃の低温にてトルエンとクロロホルムの混合溶媒中にて反応を行うと、78%eeの鏡像体過剰率の生成物が67%で得られることが分かった。今後、N末保護基や求電子剤の構造も検討する予定である。
αCF3-Aib含有ペプチドの2次構造解析:キラルなαCF3-Aibを含有するヘリカルペプチドCbz-(L-Leu)2-{(S)- or (R)-CF3-Aib}-(L-Leu)2-OMeの2次構造解析の結果をまとめるべくデータ解析と論文原稿の執筆を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ラセミ体の光学分割により光学活性αCF3-ジ置換アミノ酸を合成し、2つのαCF3-AibをL-Leu中に導入したペンタペプチドを合成し、そのペプチドの2次構造を行った結果を論文にまとめている。光学活性αCF3-ジ置換アミノ酸の不斉触媒反応を利用した合成は、相関移動触媒の構造を修飾して、鏡像体過剰率を上げる検討を行った。

今後の研究の推進方策

αCF3-Aib含有ペプチドの2次構造解析を論文にまとめる。また、光学活性αCF3-ジ置換アミノ酸の不斉相関移動触媒による不斉合成も検討する。

次年度使用額が生じた理由

不斉相関移動触媒を用いたキラルCF3アミノ酸の不斉合成が予定のように進行しなかったため、また論文執筆が遅れているため次年度使用額が生じた。当該助成金は、論文執筆のための機器データ測定費用等として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] キラル相間移動触媒を用いるα-トリフルオロメチル化アミノ酸の不斉合成研究2020

    • 著者名/発表者名
      上田 篤志、池田 美鈴、大庭 誠、田中 正一
    • 学会等名
      日本薬学会第140年会
  • [学会発表] Synthesis of alpha-trifluoromethyl alpha-amino acids and conformational analysis of their peptides2019

    • 著者名/発表者名
      Misuzu Ikeda, Takuya Kasae, Atsushi Ueda, Makoto Oba, Mitsunobu Doi, Masakazu Tanaka
    • 学会等名
      第56回ペプチド討論会

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公開日: 2021-01-27  

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