研究課題
「タンパク質」は、「からだ」を構成する主要な要素であるので、その量と機能の調節は非常に重要である。「ユビキチ化」はタンパク質分解を制御する化学修飾であり、多くの生命現象を支える極めて重要な翻訳後修飾の一つである。その反応系は、ユビキチンリガーゼ(E3)が選択的に基質タンパク質を認識することによって進む反応である。したがって個々のE3に特異的な基質を同定し、基質タンパク質のユビキチン化部位を決定することは、それらが関連する生命現象を理解する上で重要である。しかし、さまざまな問題により、ユビキチン化を受けた基質同定法の標準化には未だほど遠いのが現状である。本研究では、ユビキチンリガーゼ(E3)の本当の基質タンパク質とそのユビキチン化されているアミノ酸部位を定量的・網羅的に同定する手法の確立を進めた。具体的には、TUBE(ポリユビキチン鎖に高親和性結合を示す人工タンパク質)とユビキチンレムナント抗体を用いた新規のテクノロジーにより、いくつかのユビキチンリガーゼ(E3)に適用し、E3-基質関係を俯瞰的に解明することを試みた。実際に、RBR型ユビキチンリガーゼであるParkinとTRIM型ユビキチンリガーゼであTRIM28に関して、本方法を進めた結果、実際に多くの基質タンパク質候補が同定された。また、一過性発現と恒常的発現の違いによる基質同定率の違い、およびE3とTUBEの位置関係の違いによる基質同定率の違い等を検討し、最も有効な条件を決めた。また、同定された基質タンパク質に対して、E3との酵素-基質関係が正しいかの実証実験を進めた。
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