本研究では、精巣特異的な乳酸脱水素酵素であるLDHCが、精巣の機能に果たす役割を明らかにすることを目的とした。マウスのLDHCはオンコメタボライトとして知られる2-ヒドロキシグルタル酸(2HG)を産生する。LDHC欠損マウスを作成すると、精巣における2HGレベルが著減し、雄マウスは不妊であった。精子の運動能の低下がみとめられ、精子のエネルギー代謝の障害が予想された。精子のプロテオーム解析を実施したところ、LDHC欠損マウスの精子では、ユビキタスな乳酸脱水素酵素であるLDHAタンパク質が著減しており、LDHAタンパク質の発現において、LDHCが重要は役割を果たしていることがわかった。
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