一般に、タンパク質は電子線損傷しやすく、電子の照射により容易に破壊されやすいと考えられているが、本実験でテスト試料として用いたeGFPが、分子の中では電子線による破壊に比較的強いとされているルブレンに比べて1桁以上壊れにくいという結果が得られた。また、破壊のし易さは、試料周りの環境によって大きく依存することも分かった。以上のことから、本研究により電子線誘起の光学顕微鏡開発の可能性がさらに高まったと言える。この装置の実現は、従来より格段に高い空間分解能での生命現象観察・研究の道を拓く意味で、今後のこの分野の発展を大きく前進させたと言える。
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