研究課題
我々は昨年度にネクロプトーシスをモニタリングすることのできるSMART(a Sensor for MLKL Activation by RIPK3 based on FRET)と命名したFRET biosensorの開発に成功した。そこで本年度はSMARTを発現するトランスジェニックマウスを樹立するために、ROSA26遺伝子座にCAGプロモーター下流にSMART cDNAを挿入遺伝子断片を導入した。5系統のTgマウスが樹立でき、いずれの系統でもSMART cDNA由来の蛍光タンパク質の発現をWestern blot法にて確認した。まずSMART Tgマウスから採取してきた腹腔マクロファージや、ケラチノサイトにネクロプトーシスを誘導し、FRET/CFP比の上昇が見られるかを検討したが、これらの細胞ではYFPやCFPの蛍光が弱かったために、十分な解析をすることができなかった。そこで次にin vivoでネクロプトーシスを誘導するマウスモデルを検討した。既報の論文にあるように10 ugという大量のTNFを投与することにより誘導される敗血症モデルマウスで、回腸末端から小腸にかけて著明な浮腫が誘導され、組織学的解析から腸上皮細胞にネクロプトーシスの指標となるリン酸化RIPK3のシグナルが検出された。さらにTNF投与により腸上皮障害はMlkl遺伝子欠損マウスで軽減されることから、確かにネクロプトーシスが関与していることを確認した。そこでこのモデルを用いて2光子顕微鏡を用いてin vivoでネクロプトーシスのイメージングを行った。TNF投与によりFRET/CFP比の上昇が認められる傾向にあったものの、CFPの蛍光強度がYFP比較して弱かったことからデータの信頼性に問題が残り、現在他の手法でのSMART Tgマウスの作成を行っている。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (3件) 産業財産権 (1件)
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