我々有胎盤類の体内には,妊娠中に移入した母親細胞が存在し続けているが、その実態や役割については十分に理解が進んでいない。この問題解明のため、本課題ではヒトジフテリア毒素受容体、そしてIRES配列を介したGFPを発現する遺伝子組み換え技術を活用し、母親細胞の同定を容易にしたマウスを作出した。また、母親細胞の頻度に、胎児側で大きな個体間差がある可能性を示唆するデータを得た。母親由来細胞が再生や免疫寛容、炎症性疾患への関与など、一見相反するような現象との関連が報告されていることを説明しうる可能性を秘めている。
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