アミノ酸はタンパク質を構成するが、それ以外にも細胞内の代謝に深く関与することがわかっている。今回の研究では、細胞内の代謝のみならず遺伝子発現にもアミノ酸が深く関与することを明らかにした。セリンはアミノ酸の一種であるが、光学異性体としてD体とL体が存在する。通常はL体が生理活性を有するが、D体をL体に変換するセリンラセマーゼが大腸癌で高発現していることに注目した。その結果、セリンラセマーゼは細胞制御に重要なピルビン酸をD体、L体のいずれのセリンからも産生する重要な役割を担っていることがわかった。また様々な遺伝子のepigeneticな発現制御にも関与していた。
|