研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では新規抗体作製法として、ウイルス学・構造生物学・コンピュータ計算科学的手法を組み合わせ、抗原の立体構造情報に基づき、ウイルス抗原上の標的部位へ自由自在に抗体をコンピュータ上で理論的に設計し、人工創成することに挑戦した。作成した新規設計抗体は、全体の3割程度の候補において、実際に蛋白質発現に成功した。また、発現に成功した抗体の一部では実際にウイルス抗原への結合が確認できたことから、設計システムのさらなる改良が必要だが、有用な抗体作製手段の一つと成り得ることを示した。
ウイルス学
抗体は細胞/分子の単離・標識など生命現象を解明するための研究ツールや、疾患の診断・治療薬として非常に有用だが、標的分子に対して目的の機能・特異性を持つ抗体を取得することは容易ではない。従って、抗体作製のための新たな選択肢(技術)が求められている。そこで、本研究では新規抗体作製法として、抗原の立体構造情報に基づいて、抗原の望む部位へ自由自在に抗体をコンピュータ上で理論的に人工設計するシステム構築に挑戦した。