脳梗塞後の炎症は、患者の神経機能予後を悪化させるが、その詳細な分子メカニズムは十分に解明されていない。本研究は脳梗塞後の炎症が自然に治まるための分子・細胞メカニズムを世界で初めて解明したものであり、研究成果はNature Medicine誌に掲載された。臓器の損傷に伴う炎症に対しては、既存の炎症抑制薬では治療効果が得られない可能性が最近では注目されており、このような炎症に対しては炎症の収束を早める治療剤の開発が期待されていた。本研究の成果によって、脳梗塞後の炎症に対して、ビタミンA誘導体が炎症の収束を早める治療剤となり得ることが証明できた。
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