研究課題/領域番号 |
17K19573
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
羽生田 圭 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 助教 (40734918)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | アレルギー / IgE / B細胞 / 免疫記憶 |
研究実績の概要 |
IgE抗体は、アトピー性皮膚炎や気管支喘息をはじめとしたアレルギー疾患の発症や増悪因子としてよく知られている。多くのアレルギー疾患ではIgE+ B細胞が長期に生存し、健常人には認められないIgE型の免疫記憶形成が起こり、これが過剰なIgE産生を誘引する。すなわち、通常はIgE型の免疫記憶形成は抑制されており、その破綻がIgEの異常産生につながると考えられる。申請者は、IgE+ B細胞が発現する膜型IgEが抗原非依存的にSyk-BLNK経路およびCD19-PI3K経路を介したシグナル伝達を誘導し、細胞死とプラズマ細胞分化を誘導して、B細胞の短命化を進めて免疫記憶形成を抑制することを見出している。そこで本研究では、IgE型の免疫記憶形成の制御機構のB細胞内因的なメカニズムの解明を目指して研究を進め、以下の結果を得た。 1)膜型IgG1との比較解析により、膜型IgEに特異的に結合する1型膜タンパク質を同定した。さらに、この膜タンパク質は膜型IgEの膜直上の領域であるextra membrane proximal domain(EMPD)を介して結合することが明らかとなった。2)同定した膜タンパク質を培養B細胞においてノックダウンした場合に、Sykのリン酸化、プラズマ細胞分化の抑制が見られた。3)ノックダウンした細胞をレシピエントマウスに移入して免疫した際に、IgE+ 胚中心B細胞が大幅に増加した。 以上の結果は、同定した膜タンパク質が膜型IgEの抗原非依存的シグナル形成に関与する可能性を強く示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に従って、膜型IgEに特異的に会合する機能的な分子を同定することができた。さらにこの分子の遺伝子欠損マウスも入手できた。
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今後の研究の推進方策 |
入手した遺伝子欠損マウスの免疫応答を解析し、IgE産生、IgE型の記憶形成に異常があるかを解析する。また、膜型IgEに結合する分子の探索も継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
質量分析を行わなかったので、それに使用する予定であった予算を支出しなかった。次年度に質量分析を行う。
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