研究課題
挑戦的研究(萌芽)
申請者らはLgr5とその関連分子であるReg4が大腸癌細胞株の造腫瘍性に必須の役割を果たしていることを明らかにしてきた。Lgr5のリガンドは増殖因子Rspo(R-spondin)であることが知られているが、申請者らは R-spondin以外の新たなLgr5リガンドが存在していることを示唆する予備的な結果を得ていた。本研究では、細胞培養液や細胞抽出液からアフィニティークロマトグラフィーによってLgr5結合蛋白質やReg4結合蛋白質の単離・同定を行うシステムの構築を行った。
分子生物学
これまで、疾患発症におけるLgr5の役割や重要性は十分に明らかにされていなかった。そのため、Lgr5やその関連因子を標的とした治療法や診断法の開発は進んでいない。今後、本研究によって得られた知見を基にして新規Lgr5リガンドを同定することができれば、Lgr5関連シグナル経路の異常による癌発症メカニズムが明らかになるだけでなく、これまでに類を見ない分子標的治療法の開発にも繋がる可能性があると考える。