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2018 年度 実績報告書

ロングリードシーケンスによるフェージング解析に基づく複数遺伝子変異の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K19592
研究機関国立研究開発法人国立がん研究センター

研究代表者

片岡 圭亮  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (90631383)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワード癌 / ゲノム / 遺伝学
研究実績の概要

1. ロングリードシーケンス技術の変異解析への応用:昨年度は、10X Genomicsの合成ロングリード技術を用いて変異解析を行い、フェージングが可能であることを検証した。同方法でもこれらの解析は可能であると考えられたが、シーケンスおよびマッピングエラーが数多く認められたため、精度は十分でないと考えられた。そのため、本年度は、同じくロングリードシーケンス技術である、Oxford Nanopore Technologies社のPromethIONを検証し、より精度が高く変異解析およびフェージング可能であることを明らかにした。同時に、フェージング解析を行うためのCisCheckerというプログラムを作成した。
2. 複数の異なるがん遺伝子変異のフェージング解析:昨年度の解析により、ATLのPLCG1が同一症例で複数認められ、cisに存在していることを明らかにしたが、本年度は、他のがん腫の様々ながん遺伝子で同様の解析を行い、ATLのPLCG1で認められたような複数変異が主要な15個のがん遺伝子で繰り返し認められることを見出し、少なくともその一部は上記のロングリードシーケンスによりcisに存在していることを明らかにした。
3. 異なる複数のがん遺伝子変異がもたらす機能的変化の検証:ATLのPLCG1変異よりも高頻度に、多様ながん腫において主要ながん遺伝子に複数変異が認められることが明らかになったので、その機能解析を行った。その結果、患者検体・細胞株においてがん遺伝子に複数変異がある場合に、単独変異よりも下流シグナルの亢進が起こること、さらに、CRISPRスクリーニングの結果、複数変異がある細胞株が最も当該がん遺伝子に対する依存性が高いことが明らかとなった。
これらの結果は、「同一遺伝子における複数の活性型変異の獲得」という現象の意義を示している。

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公開日: 2020-03-17  

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