2型糖尿病治療薬メトホルミン(Met)と抗PD-1抗体の併用効果のメカニズムについて解析を行った。Met投与によりCD8TILsはROS依存性に解糖系が亢進し、さらにNrf2依存性にmTORC1が活性化されて細胞増殖を起こすことを明らかにした。抗PD-1抗体はさらに解糖系を亢進させ、Nrf2とmTORC1をさらに上昇させて細胞増殖を促し、抗腫瘍免疫応答を底上げする。Nrf2コンディショナルKOマウスではMetおよびMetと抗PD-1抗体の併用効果は消失する。一方、IFNg等のサイトカイン産生は、解糖系のみに依存し、Nrf2とmTORC1の阻害剤ではキャンセルされないことがわかった。
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