研究課題
小児に特有の重症先天性好中球減少症(SCN:severe congenital neutropenia)、Fanconi貧血 (FA)などの先天性骨髄不全症候群(CBMFS:congenital bone marrow failure syndrome)の患者は高率に白血病を発症するが、その機序についてはほとんど解っていない。本研究では、これらCBMFS患者由来iPS細胞の樹立とそれらからの血液細胞分化の系を確立した。中でもSCN患者体細胞から樹立したiPS細胞(SCN-iPS細胞)は、その特徴である前骨髄球段階での成熟障害をきたし、SCN の病態をよく再現した。またG-CSFに対する反応低下により好中球系への分化誘導が阻害されており、このような異常は周期性好中球減少症(CyN)から樹立したiPS細胞(CyN-iPS)では認められなかった。さらにはこれら患者由来iPS細胞にゲノム編集技術を用いて、SCNからの白血病化に関わると報告されている遺伝子群(CSF3R, RUNX1など)のノックインおよびノックアウトを行い、それぞれの血球分化の過程を比較している。今後もこれらの解析を疾患群を拡げて続けていくことで、CBMFSにおける、ひいては健常人も含めた普遍的な白血病発症機構の解明、発症予防法および新規治療法の開発に有用となると考えられた。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (4件)
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