研究課題/領域番号 |
17K19609
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
土谷 智史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (30437884)
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研究分担者 |
濱田 聖暁 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (30796181)
永安 武 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80284686)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 肺再生 / 肺癌 / 脱細胞化 / 組織工学 / スクリーニング / 研究モデル |
研究実績の概要 |
癌研究において、培養細胞を使ったシグナル伝達系の解明や抗癌剤のスクリーニング等がさかんに行われてきたが、2次元の堅い培養皿上の細胞は、多くの細胞と相互作用しながら3次元で生きている細胞と同じではない。実際、3次元の組織で起こる現象の多くは培養細胞では起こらず、血流等の物理的ストレス、細胞外マトリックスへの接着等が、細胞の分化や増殖に大きく影響していることはよく知られている。そのため、癌細胞が3次元でどのような動態を示すか、ゲル等を使用して培養し、多光子顕微鏡を使ったライブイメージングによって継時的変化を追う研究が始まっている。しかしながら、ゲルを使用した細胞動態の評価は、生体内での物理的刺激やマトリックスとの相互関係を正確に反映しておらず、生体臓器と同じ構造内で癌の動態が可視化できれば、より深く詳細な検討が可能となると考えられる。 本研究の目的は、ラット脱細胞化組織骨格をヒト細胞で再細胞化することによって、小型ヒト肺を作成することである。また確立した長期培養システム上で、多光子顕微鏡を使用してリアルタイムに癌細胞の成長、浸潤する場面を観察し、その上で抗癌剤投与などの外的刺激後の癌細胞の変化や、正常細胞への障害の程度を検証することである。 まずラット脱細胞化肺を再細胞化し、小型ラット肺を創出。肺線癌細胞株を肺表面から注射して、肺癌モデルを作成した。癌細胞は再生肺内に結節を形成し、今後の解析に耐えるかを検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まずラット脱細胞化肺を再細胞化し、小型ラット肺を創出。肺線癌細胞株を肺表面から注射して、肺癌モデルを作成した。癌細胞は再生肺内に結節を形成し、今後の解析に耐えるかを検討中である。 第一段階とした、ラット再生肺によるヒト肺癌モデルは作成可能であったことから、順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
ラット再生肺での扁平上皮癌細胞株、小細胞癌細胞株によるモデルを作成する。さらにラット再生肺ヒト肺癌モデルでの解析後、本研究である小型ヒト肺の作成に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究モデルの立ち上げが予想以上に早く進み、それに伴う資金が必要であったため、前倒し申請し、特にラット肺毛細血管細胞、HUVECなどの正常細胞や、腺癌細胞や扁平上皮癌細胞などの癌細胞など、多くの細胞を購入したが、経費節約に努めた結果、若干の差額が生じた。29年の残高については、小細胞癌などの新たな癌細胞、抗がん剤などを購入する予定である。
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