研究課題
挑戦的研究(萌芽)
ヒト臨床検体を用いて50例の膵癌オルガノイドによって構成される膵癌オルガノイドライブラリーの構築に成功した。遺伝学的情報ならびに表現型解析を比較検討した結果、膵癌はWntとRspondinという2つの細胞増殖因子を生存に必要とするかどうかで、3つのサブタイプに分類可能であることが示された。すなわちWnt分非泌型膵癌、Wnt分泌型膵癌、Wnt/Rspo非依存型膵癌である。これらは段階的に悪性化してることが示唆され、表現型による膵癌の亜分類に成功した。
膵癌の分子生物学
膵癌をWntとRspondinという2つ細胞増殖因子に対する要求性に基づいて、3つのサブタイプ、すなわちWnt分非泌型膵癌、Wnt分泌型膵癌、Wnt/Rspo非依存型膵癌に分類可能であることを示した。Wnt非分泌型膵癌はがん細胞周囲の線維芽細胞から供給されるWntを、Wnt分泌型膵癌は自己産生しているWntを化合物を用いて阻害することで増殖抑制が可能であることを示した。したがって、膵癌の治療標的の一つとしてWntシグナルが考えられ、臨床応用の可能性があることを明らかにした。