研究課題/領域番号 |
17K19626
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
藤井 誠志 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, ユニット長 (30314743)
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研究分担者 |
鈴木 穣 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40323646)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | オートファジー / ゲノム変異 / エピゲノム異常 |
研究実績の概要 |
オートファジー活性化細胞のマルチオミクス解析を行うために、以下の条件設定と試料の調整を行った。 1) 飢餓応答時(栄養欠乏培地:アミノ酸とグルコース欠乏させる栄養飢餓培地を使用する)と非飢餓時の細胞を作製した。実験に用いた細胞は、RAS、BRAF、TP53の変異の有無が異なる4種の大腸癌細胞株(HT-29、SW480、HCT116、DLD-1)である。 2) 主要なオートファジー関連タンパクをコードする遺伝子、ULK1、ATG3、ATG4B、ATG5、BECN1、ATG7、MAP1LC3B、ATG9A、ATG10、ATG12、ATG14、ATG16遺伝子の上流域のクロマチン構造の変化を対照として、他領域のクロマチン構造の変化を解析するため、ヒストン修飾(H3K4me3、H3K9me2、H3K27me3、H3K9/18Ac)を指標とするChIP-seqの条件を設定し、試料の調整が完了した。また、これらの大腸癌細胞でも発現が高いヒストン修飾蛋白であるEZH2についてもChIP-seqの条件設定と試料の調整が完了した。また、DNAメチル化状態を網羅的に解析するためにRRBS (Reduced Representation Bisulfite Sequencing)法の条件設定、試料の調整を完了した。 3) オンコメタボライトを含む代謝産物の変化、オートファージーの活性化の有無、遺伝子変異の有無と関係を解析するために、メタボローム解析用試料を調整した。 4) エピゲノム異常の導入、または消去によるオートファジー活性化と生存表現型が連動を明らかにするため、表現型の指標を増殖能と浸潤能に設定し、その条件検討を終了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大規模な網羅的な解析を行うための条件設定、試料調整が終了し、本年度はそれらの解析を行うことができるため。
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今後の研究の推進方策 |
調整済みの試料を用い、本年度はオートファジー活性化とゲノム変異、エピゲノム異常の連携について、解析をさらに進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、解析方法の条件設定と試料の調整に研究費を使用し、来年度に本解析を行うことにしたため。
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