研究課題
挑戦的研究(萌芽)
近年、MRI装置を用いて神経活動の履歴を全脳で見ることができ、各条件間の差を定量化できるMRI撮像方法がげっ歯類で試みられている。本研究では、小型霊長類であるコモンマーモセットでこの定量的神経賦活マンガン造影MRI法を確立することを目的とし、塩化マンガン溶液を動物に投与する際の投与量や急性毒性の有無および複数回投与の可能性を探った。また、手法の有用性の評価のため、テスト条件での神経活動の描出を試みた。
認知神経科学
マーモセットはげっ歯類と比べると使用頭数に限りがあり、疾患モデルの脳機能評価としてはより低侵襲性の手法が望まれる。神経賦活マンガン造影MRI法ではマンガンを注入してから自由行動下で負荷をかけ、その後のMRI撮像自体は麻酔下で実施できることが大きな利点である。この①低侵襲で、②MRI装置のコストが少なく、③直接の脳活動を可視化できる神経賦活マンガン造影MRI法をマーモセットで確立する一歩を進めたことは、将来非ヒト霊長類の脳機能マップの作製や精神神経疾患モデルの脳機能評価に繋がると考える。