研究課題/領域番号 |
17K19637
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
阿部 陽一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10317331)
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研究分担者 |
新倉 貴子 上智大学, 理工学部, 准教授 (10301491)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / 脳アミロイド血管症 / アクアポリン4 / 動物モデル / アミロイドβ / 脳リンパ排泄機構 |
研究成果の概要 |
アルツハイマー病モデルである5xFADをアクアポリン4ノックアウトマウスと交配することによりアルツハイマー病病態におけるアクアポリン4機能の意義について検討を行った。その結果、アルツハイマー病の典型的な病理像である老人斑の蓄積、その周囲のグリオシスに対しては アクアポリン4機能欠損による影響はほとんどなかったが、20週齢以降アクアポリン4ノックアウトの個体において夜間の活動が徐々に低下するとともにてんかん様の脳波が高頻度で現れ、けいれん発作も見られた。このことから5xFADではアクアポリン4は老人斑の蓄積がある程度進んだ段階で神経毒性のある脳内老廃物の除去に関わると考えられた。
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自由記述の分野 |
神経科学・分子生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アクアポリン4はアルツハイマー病病態において老人斑の周囲にグリアが集積した結果引き起こされる神経炎症に必要であることが予想されるほか、脳内老廃物の除去にも関与する可能性が報告されていた。本研究により、アルツハイマー病モデルマウスのアクアポリン4をノックアウトすることにより、アルツハイマー病病態においてはアクアポリン4は神経炎症には関わらないことが明らかになった一方で、脳内老廃物の除去には深く関わる可能性が強く示唆された。アルツハイマー病とてんかんとの関連も報告されており、アクアポリン4を欠損した5xFADはその治療法開発のためのツールとしても用いることができる。
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