研究課題/領域番号 |
17K19650
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
間賀田 泰寛 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (20209399)
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研究分担者 |
阪原 晴海 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10187031) [辞退]
鈴木 千恵 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 助教 (20637285)
清水 広介 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 准教授 (30423841)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 分子イメージング / NASH / 蛍光イメージング / Tissue Factor / 組織線維化 / 肝臓 / 肝星細胞 / Fab |
研究実績の概要 |
肝線維化の責任細胞として知られる肝星細胞のヒト細胞株(LX-2)を用い、TGF-βおよびLPSにて刺激した際のTFの発現ならびに分布について、蛍光顕微鏡により観察を行なった。TFは多くの細胞で恒常的に発現している分子であり、LX-2細胞においても未刺激の状態において発現が見られたが、TGF-βとLPS の両方の刺激によってその発現が向上した。また刺激を行ったLX-2細胞は特徴的な構造を形成し、肝星細胞の活性化マーカーであるα-smooth muscle actin(α-SMA)の発現上昇も確認された。 肝線維化イメージングにおけるFab化抗TF抗体の有用性を明らかにするために、CDAHFD を12週間摂食させてNASHを誘導したマウスに、ICG標識Fab化抗TF抗体を投与し、マエストロを用いて全身蛍光イメージングを行なった。投与3時間後では、Fab化コントロール抗体、Fab化抗TF抗体どちらを投与したマウスの肝臓においても蛍光が観察されたが、Fab化コントロール抗体を投与したマウスにおいては投与72時間後にはその蛍光シグナルは低下した。これに対しFab化抗TF抗体を投与したマウスにおいては、投与72時間においても蛍光は高い状態を維持していた。実際、投与72時間後にマウスから臓器を取り出し、Ex vivo蛍光イメージングを行なったところ、Fab化抗TF抗体を投与した肝臓においてICGの強い蛍光が確認された。一方、通常食を摂食させたマウスにおいては、Fab化コントロール抗体、Fab化抗TF抗体ともに投与後の肝臓への一過性の集積は見られたが、その後急速に消失した。またこのFab化抗TF抗体の肝臓への高い集積は、CDAHFD を6週間摂食させたマウスにおいても見られた。 以上の結果から、NASHの診断において、Fab化抗TF抗体がイメージングツールとして有用であることが示された。
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