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2017 年度 実施状況報告書

眼を介した新規アレルギー性炎症発症機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K19656
研究機関国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所

研究代表者

黒田 悦史  国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, 上級研究員 (10299604)

研究分担者 石井 健  国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, センター長 (00448086)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワードIgE / アレルギー性炎症 / 目 / 感作 / TALT
研究実績の概要

本研究では点眼による眼への抗原感作によるアレルギー喘息モデルの作成とその機序の解析を行う。まず抗原(卵白アルブミン: OVA)の点眼によるアレルギー性炎症モデルの作成を行ったところ、OVA点眼後にOVAを曝露することで高い抗原特異的IgEの誘導が認められた。一方で、OVAの経鼻投与とOVA曝露あるいはOVAの点眼後にさらにOVAの点眼などの方法では高いIgEの誘導は認められなかった。OVA点眼→OVA曝露のモデルにおいて肺胞洗浄液(Broncho-alveolar lavage fluid: BALF)中の炎症性細胞を解析したところ、好酸球の増加も認められ、典型的なアレルギー性喘息のモデルであることが明らかになった。点眼後の涙道関連リンパ組織(tear duct associated lymphoid tissue: TALT)を解析したところ、点眼によりリンパ節は大きくなり、B細胞のクラススイッチの場でもある胚中心の形成も認められた。
一般に抗原感作時にアジュバントを当時に投与することで炎症反応(IgE誘導)が増強されることが知られているが、本モデルではアジュバントの添加なしに強力にIgEが誘導され、さらにLPSなどの可溶性のアジュバントに関してはIgE誘導の促進効果が認められたが、微細粒子であるアラムなどのアジュバントではアジュバント効果が認められなかった。
アレルギー性炎症に関与するIL-33やTSLP受容体の欠損マウスではIgEの誘導の低下は認められず、これらの因子は本実験系では関与しないことが明らかとなった。現在も遺伝子欠損マウスを用いた実験を継続して進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験の立ち上げとモデルの確立。アレルギー性炎症の解析および所属リンパ節TALTの免疫染色など、初期の計画は順調に進行している。また遺伝子欠損マウスを用いた解析に関しては来年度も継続して解析する予定である。

今後の研究の推進方策

前述したように、種々の遺伝子欠損マウスを用いたアレルギー性炎症発症機序の解析を継続して進める。特に初期の抗原感作が重要と考えられるため、自然免疫に関与する遺伝子欠損マウス(MyD88欠損やTLRなどのパターン認識時受容体の欠損マウスなど)を用いて実験を進める。
また30年度は治療モデルの構築を計画している。抗アレルギー薬であるステロイドの点眼や、IgE誘導を強力に抑えることが知られているCpG ODNなどのアジュバントを点眼することでIgEの誘導や好酸球の活性化が抑えられるか否かを検討する。実験に使用するCpGをはじめとするアジュバントに関しては購入済みである。

次年度使用額が生じた理由

本研究は、採択および補助金受け入れとなった9月から本格的にスタートしたため、一部の実験(遺伝子欠損マウスを用いた実験など)のスケジュールがずれ込み、年度をまたいだ形で行っている。そのため、その実験にかかる一部の助成金を繰り越した。

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公開日: 2018-12-17  

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