研究課題
本研究では、パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)、多系統委縮症(MSA)などのシヌクレイノパチーにおけるαSynの凝集・プリオノイド化の誘因として脂質に着目し、αSynのプリオノイド化、脳内伝播メカニズムを解明することを目的として、以下の研究を行った。1)質量分析イメージングを用いたレビー小体に蓄積する脂質成分の同定シヌクレイノパチー患者脳内のレビー小体において、αSynと共に蓄積している脂質成分を同定することを目的として、連携研究者の瀬藤光利博士との共同研究にて、PD、MSA患者脳切片の質量分析イメージング解析を試みた。その結果、レビー小体の同定のために免疫染色を行った固定標本では、安定した解析結果が得られないことが明らかになった。2)αSynのプリオノイド化を規定する生体内脂質の同定人工リポソーム脂質膜と精製αSynを用いたin vitroアッセイ系により、αSynの凝集・プリオノイド化に影響を及ぼす生体内脂質のスクリーニングを行い、αSynのプリオノイド化を促進するいくつかの脂質を同定した。また、αSynの生体内における動態を可視化するために、新規のレポーターショウジョウバエの作成を行った。組織特異的特異的GAL4ドライバーによってGFP-αSynを発現するドナーショウジョウバエとElavプロモーター下に神経系全体にmCherry-αSynを発現するアクセプターショウジョウバエをそれぞれ複数系統が得られ、発現量解析結果から、αSyn伝播レポーターショウジョウバエとして最も適切な系統を選択した。
3: やや遅れている
患者脳切片の質量分析イメージング解析の条件検討に時間がかかった。
患者の凍結脳切片を用いて、質量分析イメージング解析を行う。
質量分析イメージング解析が、当初の予定通りに進まなかった。凍結脳切片標本を用いて、再度質量分析イメージング解析を行う。
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