研究課題
本プロジェクトは、乳児期の湿疹が食物アレルギーの発症に関与するとのこれまでの観察研究の詳細を明らかにするため、研究者等が開発した高感度のDensely carboxylated protein (DCP) マイクロアレイを用いて、イムノグロブリンクラススイッチ解析と各種抗体の抗原親和性解析から取り組んだ。その結果、ミルクのみを摂取する生後6ヶ月までの哺乳期に、主として母乳を含むミルクで栄養された乳児に湿疹が出現すると、経皮抗原感作によるTh2免疫系のイムノグロブリンクラススイッチが進み、high-affinity IgEの出現、IgMからIgAへのクラススイッチの抑制と、IgG1からIgG2(IgG4)へのクラススイッチの抑制型を示す免疫系が進み、このタイプのクラススイッチが進んだ乳児の場合、1歳までに食物アレルギーが発症することが明確となった。一方、哺乳期に湿疹が無かったり、湿疹が軽度に経過した母乳栄養児、人工栄養児、混合栄養児の場合、ミルクの経口摂取による腸管粘膜免疫からの抗原感作で、Th1免疫系のイムノグロブリンクラススイッチが進み、low-affinity IgEの出現、IgMからIgAへのクラススイッチの促進、IgG1からIgG2(IgG4)へのクラススイッチの促進が進み、このタイプのクラススイッチを示す乳児の場合、1歳までに経口免疫寛容型免疫系が発展することが、乳児のイムノグロブリンクラススイッチ解析と各種抗体の抗原親和性を測定することで明確となった。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)
Immun Inflamm Dis
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