研究課題
本研究開発提案では、独自に樹立した高感度・高精度のmRNA 監視機構(Nonsense-mediated mRNA decay (NMD))評価システムの改良を行い、新規化合物のスクリーニング・バリデーションを行う。同時に、得られたリード化合物による希少遺伝性疾患治療のin vitro レベルでのPOC(概念実証)を取得し、開発を加速させる。平成30年度は1)平成29年度に作成した、HiBit(Split-NanoLucペプチド)にいくつかのアミノ酸コドンを含まないmutant-T4-Lysozyme (mT4L)を融合させたレポーター(Hibit-mT4L-wt/PTC)を用い、様々な細胞ストレス依存的なNMD活性の変化を解析した。その結果、これまで、ストレス依存的翻訳抑制によりNMDが抑制されていると考えられていたストレスにおいて、翻訳抑制非依存的にNMDが抑制されるということを発見した。また、Hibit systemにはDual luciferase kit が市販されていないが、プロトコールの改良により、これを可能とした。2)NMD抑制による遺伝性疾患治療モデルとして、ColVIにナンセンス変異を有するUllrich 病患者由来細胞をHPV-E7/TERT高発現により不死化し、蛍光染色法により新規SMG1阻害剤依存的な変異ColVIタンパク質蓄積を証明した。さらに、動物モデルとして、嚢胞性線維症原因遺伝子であるmCFTRの変異のうち、ヒトで5番目に多い変異であるCFTR-W1282Xに相当するmCFTR-W1278X ノックインマウスをCRISPR-CAS9 systemにより作成した。mCFTR-W1278Xマウスは、mCFTRノックアウトマウスと同様、生後6~9週での致死であることが観察されたが、これについて、凍結受精卵の作成を行った。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件)
Scientific Reports
巻: 9 ページ: 6201
10.1038/s41598-019-42657-1
Journal of the American Heart Association
巻: 8 ページ: e012395
10.1161/JAHA.119.012395
巻: 9 ページ: 1279
10.1038/s41598-018-38015-2
BioMed Research International
巻: 2018 ページ: 1~9
10.1155/2018/2817045