研究課題/領域番号 |
17K19673
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤城 光弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (70396745)
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研究分担者 |
池田 祐一 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10744419)
熊谷 英敏 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20281008)
山下 裕玄 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50599397)
浅岡 良成 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90431858) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | 常在性腸内細菌叢 / 新規生理活性代謝産物 / Gタンパク質共役型受容体 / 腸管イントラネット |
研究実績の概要 |
消化管内には40-50兆個もの莫大な数の細菌が常時存在し(常在性腸内細菌叢)、多彩な代謝産物を産生する。本研究は、“腸内細菌叢から産生される代謝産物が宿主に発現するGタンパク質共役型受容体(GPCR)群のリガンドとして機能し、宿主生理機能に影響を及ぼす” との作業仮説のもと、糞便および内視鏡検査排液等の低分子代謝産物画分から新規低分子GPCRリガンドの同定を目指すものである。 手始めに、当初スクリーニングに供する予定であったβ-arrestinアッセイ系を既知低分子リガンドを認識するヒトGPCR(約100種類)に対して運用し評価した。驚くべきことに約半数の受容体においてリガンド刺激によって検出されるべき活性が予想外に低いことが判明した。 そこで、感度、汎用性の点においてβ-arrestinアッセイ系より優れた新規GPCRアッセイ系の開発に着手し、平成29年度内にこの新規アッセイ系の開発をほぼ完了することができた。平成30年度は、この新規アッセイ系をリガンド既知のヒトGPCRの全て(約200種類)に対して運用し評価した。その結果、およそ95%の受容体において良好なリガンド活性の検出が可能であった。現在は、リガンド活性の検出が困難であった残りの約5%の受容体において活性測定を可能にすべくアッセイ系を改良しており、その目処も既に立ったところである。この新規GPCRアッセイ系を用いれば、リガンド既知のヒトGPCRの全てを単一アッセイフォーマットによりスクリーニングすることが可能となる。またこのことはリガンドが未知なオーファン受容体に対しても、本アッセイ系が従来のアッセイ系より圧倒的に有用である可能性を示唆する。今後はこのアッセイ系を用いて、上記の低分子代謝産物画分を網羅的かつ系統的にスクリーニングしていく予定である。
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